付録9. 火の使用とその結果
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人類は25万年前には火を使えるようになったというのが、一般的に受け入れられている見解 人類学者の中には火の使用の起源をもっと前の30万~50万年前まで遡らせたいと思っている人が多い ランガムの見解では、料理は人類の生物学的進化に多大な影響を及ぼし、その結果、歯のサイズの縮小、消化管の全体的な短縮などが起こったという
以前は消化に振り分けられていたエネルギーを、脳の成長など、他の用途に充てられるようになったというのである
実際、ランガムはホミニン(ヒト族)の脳のサイズ増大については、料理が発明されたことが大きく寄与したとしている 高価な組織仮説では、消化管に費やされるエネルギーと、脳に費やされるエネルギーとかトレードオフの関係にあるものとする
消化管は脳に次いでエネルギー消費の大きい組織だからである
この仮説の支持者によれば、霊長類やその他の哺乳類では、消化管サイズと脳のサイズの(どちらも体の大きさに対する相対的なもの)間に負の相関関係が見られるともいう
大きな脳と長大な消化管の両方を持つことはできない、というわけだ
以前から、肉にウェイトを置いた食事をするようになったおかげで消化管の短縮が可能になったと推測されていた
ウシが四室の胃を持っているように、植物質は消化にかなり手間がかかるためだ
高価な組織仮説の用語者は、肉を中心とする食事によって、消化管に割いていたエネルギーを脳に流用できるようになったため、脳の成長が可能になったのだと考えている
ランガムによれば、単に肉を食べるだけでは十分ではなく、料理される事が必要だという
ランガムによれば、料理した塊茎などが加わって多くのカロリーをとれるようになったからこそ、ホミニンの脳は増大可能になった 火の使用の証拠が見つかったという記事